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2007.05.18

ふたりの研究員 新説は雑談から?

形城@主任研究員(以下、形)「ふたりとも目は通した?」
須淡@新人研究員(以下、須)「はい」
土院@新人研究員(以下、土)「見ました」
形「何か感想は?

 須淡と土院はお互いの顔を見合わせた。

須「感想とは……?」
形「『仮想国家または仮想政府についての考察』についてのふたりの率直な感想です。何かないですか?」
土「感想でいいんですか? 意見とかじゃなくて」
形「ええ、感想で構いません」
須「あの、これって書いたのはなんでしょうか?」
形「それはあとで言います」
土「所長じゃないの?」
須「ああ……なんかわかるかな」
形「残念ながら所長じゃないわ。それよりも何か感想はないの?」

 ふたたび顔を見合わせる須淡と土院。

須「そうですね……すでに仮想国家についてはいろんな人が研究してるから、今となってはだいぶ後発になるはずなのに、まだ基礎の部分しかないのがちょっと気になるかな、と」
土「そうだな。それにわざわざここでやるんなら、仮想宇宙とかもっとスケールが大きい方がおもしろそうかな」
須「そういえば、これっていつ頃書かれたものなんですか?」
形「最近です」
須「そうなるとやっぱり、ちょっと遅いかな……」
土「やっぱり書いた奴が気になる」
形「書いたのは第77-β研究所の方です。書かれたのは今年に入ってから。まだ発表はされていません」
須「第77-β研究所って、なんですか?」
形「88研よりは真っ当なところです」
土「姉妹研究所?」
形「いえ、そういうわけでもありませんが、こことまったく関係ないというわけでもないです。そうですね、ひどく抽象的な言い方ですが、似て非なる研究所です」

 須淡と土院は三度顔を見合わせた。

須「主任、いまいちよくわらないです」
土「右に同じ」
形「これを書いた人が所属しているところ、と認識しておけばいいでしょう。それ以上でもそれ以下でもありません」
土「仲が悪いんですか?」
形「そういうわけではないですが、双方共に積極的に関わり合いたいと思っていないというのが正直なところでしょう。それで感想は以上ですか?」

 須淡と土院はうなずいた。

形「そうですか。では、この件は以上です。それぞれ仕事に戻ってください」
土「えっ、それだけ?」
形「ええ」

 形城はレポートを片付けて自分の机に戻っていった。

土「なんだったんだろうな」
須「さあ、なんだろうね。ところで土院、さっきの仮想宇宙っておもしろそうだね」
土「ヴァーチャル・ユニバース? それともヴァーチャル・コスモス?」
須「英語弱いからどっちでもいいけど、何か違いがあるの?」
土「いや、俺にもわからん。仮想宇宙ってとりあえず適当に言っただけだけど、おもしろそう?」
須「なんとなく、ね。どう、やってみない?
土「仮想宇宙? 無から有を生み出すの? ちょっとスケール大きくね?」
須「そう? マクロ宇宙じゃなくてもミクロ宇宙でもいいんじゃないのかな。それだったら仮想じゃなくて、実際に作ることもできそうだし。なんとなくだけど」
土「なんとなくか。まっ、ゆっくりとやるにはおもしろそうかな。がっつりやるのは勘弁な」
須「うん、わかった。それじゃゆっくりやろうね」
土「おう」

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