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2005.05.16

ノー・ルール・ワールド

“ルールがない”というのが唯一のルールですと言い切ってしまうと、どこにでもルールはあります。広辞苑をひくとルールは「規則。通則。準則。例規」とあります。

 ルールはやぶるためにある、という人もいます。ですが、ルールをやぶる人ばかりだと、ルールを定めた意味がありません。
 ノー・ルール・ワールド。ルールがないからそれだけ自由な世界なのか、それとも文字通りルール無用の世界なのか。どんな世界なのでしょう。

 現代では外交手段のひとつ、戦争にもルールはあります。裏社会にもルールはあります。どこにでもルールは存在します。
 第88研究所も同様です。それは「他人の研究のじゃまをしない」です。原則として第88研究所の全研究員に共通する唯一のルールです。

 あとは各研究室ごとにローカル・ルールがあります。それぞれ好き勝手にルールを決めており、研究室によっては流動的によくルール改正がおこなわれています。
 ちなみにどのようなローカル・ルールがあるか例をあげますと、ラーメン禁止(とんこつのみ可)禁煙禁止といったものから、特例客員研究員入室禁止、という限定的な事柄までいろいろあります。

 ルールといっても、明記されわかりやすいところに掲示してあるのではなく、ほとんどが暗黙のルールです。

 ルールを守らないと、罰則の対象になります。暗黙のルールでも同様に、なんらかの処罰の対象となるでしょう。程度にもよりますが、処罰は自らの命と引き換えの場合もありえます。

 ちょっと話をそらします。
 仮にすべての人がルールを守らなくなるとどうなるか? 非常に簡単です。いままでの常識すべてが通用しなくなるでしょう。しかし、慣性の法則のように現状維持をのぞむ人たちが、今まで通りにルールを守ろうという運動をするかもしれません。
 どのような結果になるのかわかりませんが、混乱が起きることはたやすく想像できます。

 第88研究所だけで考えてみます。だれもがルールを絶対に守らないのであれば、だれも何も研究できないでしょう。今でもルールらしいルールは、ひとつしかありませんが、それでもあるとないとでは大きく異なります。

 ルールによって雁字搦めにするのがいいというわけではありません。最低限のルールは必要だと思います。それが常識的なことであっても、すべての人が共通した常識を持っているというのは幻想です。明確にすることで、ルールとしての効果を発揮します。

 だれからも認識されないルールは、ないも同然です。ノー・ルール・ワールドとは、ルールをルールとして認識しない世界なのかもしれません。

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